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俺の処女作です。
午前5時半頃執筆しましま。

タイトル『おでん屋さんでの出来事。』

お客aが飲み物の注文を迷っている。
「無理して注文しなくていいよ。お客さんお酒飲めないでしょう」
「あっ……すいません」
「今、あったかいお茶出すから、それ飲んでね」
「こんな寒い仲、わざわざ来てくれたんだから、そのお礼。今日はあんまりお客さん多くなくてさ…」
店主がしゃべっている間、客aは疲れた笑顔で聞いていたが、急に何かを思い出したような表情をした後
、うつむいてしまった。
店主は触れずに話しかけ続ける
「何、差し上げましょ?どれを選んでもハズレ無しだよ。
ちゃんと毎日『毒味』…と言う名の味見してるんだけど、
食べ過ぎちゃうくらい美味しいよw」
店主は軽口を叩いた。
客aはうつむいたままだ。
「どれも美味しいんだけど、強いてオススメ商品を選ぶとしたら、コレかな」
店主は湯気で真っ白になった、おでん種の四角い鍋を指さす。
客aが顔をあげ、湯気を掻き分けて店主の指先を見つめると
、何やら黄色いお弁当のおかずの代表格が浮いていた。
『玉子焼きって水に浮かべると浮くんだ。』
先ほどまで頭を支配していたものに替わって、そんなことが頭に浮かんだ。
「玉子焼きのおでん珍しいでしょ?
おじさん玉子焼きと酒があれば生きていけるくらいに玉子焼きが好きでね。
おでん屋でも玉子焼きを食べるためにはどうすりゃいいかと思ってさ、
んで、そのままおでんに入れてみたらコレが大成功。なんていうかジュシーな味わいなんだよ。
本当にオススメ。どう?食べてみない?」
「あっ…じゃ…じゃぁそれ1つお願いします。」
店主の勢いに押され、反射的にそう答えていた。
「承知しました。」 一瞬真顔になった店主が答える
「……なんちゃってねwwごめんね、今自分の中でこの台詞が流行っててさ」
店主は家政婦ドラマの台詞を真似ていたようだ。
客aは頭が空っぽのまま話を聞き流していた。
おでんが客aの前に出される。先ほど注文した玉子焼きのおでんだ。

「いっ…いただきます。」
ふと我に返って割り箸を割り、玉子焼きを割る。
中に含まれた出汁が溢れる。
いかにも美味しそうだ。
期待を込めて口ヘ、運ぶ。
「わぁぁぁ!あつひぃ」
驚きで皿にリバースしてしまう。
「うはっw落ち着いてゆっくり食べてw」
店主の笑顔に思わず笑顔になった。
かすかに甘い玉子焼きと、だし汁が口に広がる。
『美味しい。茶碗蒸しの味に近いのかな』
「すごく美味しいです。」
「誉めてくれてありがとう。お世辞でも嬉しいよw」
「ところでお客さん、こんな時間におでん屋に1人でいるなんて、女の子の1人歩きは危ないよ。」

「…」
危ないことの何が悪いのか。
むしろ好都合。
私はどうせ死ぬんだから。

「大丈夫ですよ。今までそんな目にあったことないですし、私にはきっと危ない目に会わない神様がついてるんですw」

努めて笑顔で答えた。
「なんじゃそらwそんなピンポイントの神様いるんかw」
笑いあった。

『空元気でも明るくしていれば、それが本当になる』

そんな言葉が頭をかすめる。
お酒呑んじゃおうかな。
そう思うや店主が
「お客さんに申し訳ないんだけど、ちょっとお酒呑んでもいいかな?」
「あっ!はい、どうぞ。わたしも熱燗一合下さい。」
「いや、なんか悪いね付き合わせるみたいになっちゃって」 「いえいえ」
「んじゃ、はざまかんぺー!じゃなくて乾杯!」
「人生に完敗じゃなくて乾杯ww」
呑みながら下らない洒落を言い合った。
今の間は楽しいこと、笑えることだけを考えていられる。
すぐ、お酒は空になった。
もうちょっと呑みたいな。
「お酒もう一本下さい。」
「はいよっ!」
「…って言いたいとこなんだけどさ。酔って帰るとあぶないから、お酒はやめときな。また今度来てよ。
そんときは友達とか彼氏wは居るかわかんないけどw一緒にさ」
「うぅ…からかわないで下さい!」
「ははっごめんね。セクハラになっちゃうねwまぁ、でもさ、そろそろ電車もなくなるし今日はこれで店じまい!」
「なんだか、残念です。もう少し呑みたかったです。」
「また今度、また今度。夜は危ないから心配なんだ」
「…わかりました。また来ます。」


「ありがとうございましたー!」
店主の声が後ろで響く。
帰りの電車でボーッとしていると、
玉子焼きの味、下らない駄洒落が次々に思い出される。
また会いたいな。
そう思う。

明日起きたら自分の頭の中には何が浮かんでくるだろう
小さな楽しい出来事はすぐに沈んで、暗い気持ちに埋め尽くされるに違いない。
いつか、楽しいことが本当になると信じられる自分になれるといいな。
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